DS-10に飽きちゃった人のためのPlogue Bidule入門(たぶん1)
いやースゲェッスね。何がって、アレっすよアレ、KorgのDS-10。
憧れのKorg MSシリーズのアナログパッチシンセ(のシミュレータ)が、この値段で買えちゃうって!
しかもシーケンサーとか付いちゃって! 友達とシンクさせて合奏しちゃったりして!
これまでシンセに興味持ってなかった人も思わず買ったりして、ピコピコやっちゃったりしてもう最高!
って俺、DS-10触ったことないんですけど。
まあそんな瑣末な事実はさておいて、発売して一ヶ月を過ぎ、そろそろDS-10にも飽きちゃって、すっかり埃をかぶってる人もいるんじゃないかなーと。
せっかく電子音の音作りっていうディープな世界の入り口に立ったのだから、Max/MSPとかReatorとか使ってガシガシモジュール作っちゃったり、LiveとかCubaseとかLogicとかで本格的にトラック製作やったり、そういう風になってもっとめちゃめちゃな音楽とか出てきてほしいなーということを友達と話していると、「やっぱ市販の打ち込み用のソフトは機能多すぎて敷居が高いよ」と。
まあそりゃーそうですね。こういうDTM系のソフトはもうここ十数年ずっと洗練を重ねてきてて、どんどん出来ることが多くなってきて分かってる人には快適なんだけど、いざ一からやり始めようという人には敷居が高いのは事実。
実際、数万単位のソフトなので買おうとするとかなーり気合入れて買わなきゃいけないし、気軽に触れるものじゃないしね。
じゃあ、DS-10とそういうDTM系のソフトの溝を埋めるうまい具合のソフトないかなーということで、「モジュラー式で簡単に音作りできて」「シーケンサーでちょっとしたトラック制作もできて」「ハイスペックなソフトへとステップアップしたときも役立つ」っていうことでこれですよこれ。
とりあえずお金払わなくても1か月の期間、試用版で無償で使えるし、気に入っていざ買うってときもUS $75! 1万円以下で買えちゃいます。
ソフトとしてはモジュラー型シンセで、信号を繋げていって音作りをやるんだけど、オーディオファイルの再生/ループもできるし、MIDIシーケンサーも付いてるので簡単な打ち込み制作も出来ちゃう。
モジュラーっていうと敷居の高いイメージあるけど、要するにアレっす、ギターとか弾いたことある人はBOSSのエフェクターとかをシールドで繋いで音を歪ませたりディレイかけたりするでしょ。あんな感じで音作りできるイメージ。
まあ、実はこのソフト、日本ではあんまりメジャーな方ではなくて、モジュラー系で言えば有名どころの双璧はMax/MSPとReaktor。ただ、この2つは値段も高いし、かなり音を出すまでの敷居が高いので間違ってもDS-10から入ったような素人は手を出しちゃいけないところ。手に入りやすいところで言えば、Jeskola Buzz(フリー)とか、AudioMulch(シェアウェア/US $89)なんかが人気がある。
で、もちろんそっちでも全然問題はないんですけど、Biduleは以下のところが魅力的で個人的に好きなんですね。
- MacでもWinでも使える!(ついでにWin 64xでも使える) 俺Mac持ってないけど!
- オーディオサンプルを扱える!(mp3は残念ながら未対応)
- ステップシーケンサー(機能的にはいまいちだけど)が付いてて、MIDIを扱える!
- VST プラグインが使える!
- さらにVSTプラグインとして立ち上げることもできる!
- Rewire(マスター/スレーブ)もできるので、他のソフトとの連携も付いてる!
- モジュールが豊富で変態!
ということで、基本的な機能を押さえつつ、VSTプラグイン化できたりRewire連携できたり、痒いところに手が届くところがニクいあんちくしょうなわけです。まあ、少々安定性に問題があるので、ライブでメイン使用するのは若干怖いとかまだ問題点もあるんだけど、それはこれからのバージョンアップで解決していくことを期待。
ということでDS-10と果たして関係あるのか? という根本的な疑問は、単に俺が紹介したいだけ、という回答でザックリと切り捨てましょう。
とりあえずとにかく動かして遊んでみることがすべては始まるのです。
何がともあれインスコ
はい。とりあえずインストールしてみないことには何も始まりません。
ここでは何も悩むことは無いはず。
- Plogue Bidule のページの左側の「Main Menu」から、「Downloads」を選択。
- そうすると「Category」を選択するページが出てくるので、「Bidule (standalone)」を選択
- お使いの環境に合わせてインストーラーをダウンロード。
という感じでインストーラを手に入れたら、それをうまいことごにょごにょしてインストールしてください。
普通に「Next」を押し続ければインストールできるはず。
まあもうこの辺は豪快に、何も考えずにひたすらクリッククリックで無問題でいけるはずです。
あ、ちなみにMacでは試していませんが、たぶん大丈夫でしょう。ジョブスだし。何となく。
早速起動
はい! では早速起動してみましょう。
スプラッシュウィンドウに続いて現れるドキドキの起動画面がこれ!
素っ気ないです。
何をすればいいの!? という置いてきぼり感満載です。
このままではもちろん、何をやっても音は出ません。
この無常観がお洒落!
ではないのですが、まあちょっとだけお待ちを。
いきなりハードコア
ここで躓いたらあかんでーというわけで、Biduleはちゃんと初心者にも優しいサンプルパッチを用意してくれているわけですよ!
あ、パッチっていうのはモジュールを組み合わせたセット、まあざっくりエフェクターのラックみたいなものです。
で、それをどうやって開くかというと、下のようにメニューの「File」「Open」をクリック!
とすると、下のファイル選択の画面が出てきます。
これらがデフォルトで用意されてるサンプルパッチなわけなんですね。
で、13個近くもあってどれ選べばいいの? という状態なので、ここでワタクシのお勧めを申しましょう。
ズバリ、上から4番目の「04_Audiofile_Squasher.bidule」であります。
Squasher・・・Squareher・・・・Squarepusher!!!!
そう、あのSquarepusherが、Biduleのために作ったスペシャル・プレゼンツ! 神様ありがとう!!
というのは俺の完全な妄想なんでありまして、単にSquarepusherっぽいことがでるっていうだけのサンプルパッチであります!!(すいません)
まあとにかくこれを開いてみましょう。
はい、ドン。
グッチャグチャの配線であります。
とても初心者にお勧めできるパッチではない・・・・ように見えますが、ここであえてこのパッチであります。
そう、やろうとすればBiduleはこんなこともできちゃうよ、という底力なのであるわけです。
決して、Squarepusher!!!!と叫びたいだけではないことを分かっていただきたい。
で。当然開いただけでは音は鳴らない。
どうするか?
っていうことで、よく見ると左下のウィンドウにヒントが書いてあるわけです。
さすがBidule! そこに痺れるぅ(面倒くさくなったので途中で)
Press the button on the Trigger after
the signal processing has been activated
このトリガーのボタン オセバ オンガク ナガレル(意訳)。
ということで、今度は左上のウィンドウに注目すると、
- Send Trigger [Send command]
というボタンがあることに気づくことでしょう
ということで何も考えずコレをクリックぅ!
ドンガドゥンドゥン グシュー ドンガドン グゥー
こここここここれは・・・・Squarepusher!!!!
に似た何かっ!!!!
というわけで、とにかくドラムがグチャグチャに加工されながら突進する音が鳴り出すわけです。
でこのパッチを簡単に説明すると、元になってるのはPlogueで準備されている簡素なドラムの音で、
その再生位置や再生スピードを様々にリアルタイムで計算しながら鳴らしているわけです。
もうこれだけで俺は興奮しているわけですが、まあここからがPlogueの見所。
下の3つの四角い箱、「CrossFader_0」「CrossFader_1」「samples to me」をおもむろにダブルクリックしてみましょう。
すると、3つのウィンドウが現れるので、とりあえず勢いのままに下の赤線で囲まれたスライダーとかリストボックスを動かしてみましょう。
シュルシュルシュル グシュー ドンガドン モゥーー
こここここここれは・・・・エレクトロニカ!!!!
っぽい何かっ!!!!
ということで、もうその道の方はこの3つだけで1時間遊べるくらいには楽しめるはずっ・・・!
そして、その道でもない方は「俺の作りたいのはこんなノイズじゃねぇ」と心底思うはずっ・・・・!
まあそりゃそうです。これはあくまで、今あるサンプル音をいかに加工するか、というパッチなので、メロディとかハーモニーとかからは切り離された世界。でもまあ、1つのオーディオサンプルからだけで、こんなにいろいろな音を、しかもリアルタイムで引き出せますよーということでおこは勘弁して欲しいところです。
まあ、俺は最初にこれ触ったとき、ノリノリで1日触ってましたけど。叫びながら。
ということで、いよいよメロディとかの打ち込みに入るよーというところでいい加減長くなったので打ち切ります。
勢いで書きはじめたのに長くなってしまった・・・・。
ということで次回、もし続くとしたら以下のようなことを書きたい、と思いつつ、書かない可能性もありますが、まあそこはそれ、いろいろとワタクシも忙しいものですから、テキトーにお付き合いいただきたいと。
- ステップシーケンサーを使ったメロディの打ち込み
- エフェクターをインサートして音作り!
- フリーVSTプラグインを入れてダブっぽい何か
- Ableton LiveからVSTiとして利用してみる
- ライブ用にパッチを準備
それでは。